桐谷美玲は「垂れ流し系」、浜辺美波は太りやすい? スレンダー芸能人にも悩みアリ |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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桐谷美玲は「垂れ流し系」、浜辺美波は太りやすい? スレンダー芸能人にも悩みアリ

芸能界は必ずしも、世間と隔絶した別世界ではない

■スレンダー芸能人たちにも悩みはある

 さて、話を「仰天ニュース」に戻すと、この回ではもうひとつ、特筆したい場面があった。「ポップティーン」などで活動する17歳のモデル・生見愛瑠がこんな告白をしたのだ。

「まわりのモデルさんが細すぎて、これじゃダメだと思って、ダイエット始めたんですけど、食べちゃダメだと思いすぎて、食べたら吐くみたいな感じになっちゃって」

 そのうち、肌の調子がおかしくなったため、このダイエットはやめたそうだが、生見の身長体重は165センチ44.4キロ。そんな人でもさらに痩せようとし、食べて吐くという排出型の拒食に陥りそうになったわけだ。

 また、今年「激痩せ」で騒がれた代表が若手女優の浜辺美波である。小柄ながらほぼ標準体型だったが、昨年後半から痩せ始め、今年の5月31日には「さんまのまんま」「全力!脱力タイムズ」に出演して、その変化が話題になった。彼女のファンだという明石家さんまが実物を見て「細いし、ちっちゃいねんなぁ」と驚いていたものだ。

 何キロ痩せたかは不明ながら、彼女は以前、上半身に比べ脚が太いなどとネットで指摘されていたりした。そのあたりも意識したのか、痩せていった期間には雑誌でこんな発言をしている。

「お腹いっぱいまで食べず、腹6分目くらいで止めておきます。(略)野菜や鶏胸肉をしっかり食べて、炭水化物は基本控えめですね」(「ar」)「目的の駅より一つ手前の駅で降りて歩くのもルーティン。周りからはそんな時間があるなら絶対寝たほうがいいよと言われるんですけどね」(「non-no」)

 ただ、ネットで今度は痩せすぎという声も出たせいか、最近は「激痩せ」感がうすれつつある。意識的に体型を戻したのかどうか、ということもやはり不明だが、9月に行なわれたアニメ映画「HELLOWORLD」の舞台あいさつで気になる言葉が飛び出した。ストーリーに絡めて「過去に戻ってしたいこと」をきかれ、こう答えたのだ。

「自分が小学校1年生、2年生のときに戻って、そのときの年齢って、どれくらい脂肪細胞があるかによって、その後の太りやすさが変わるらしいんですよ。だから、そこに行って食指導・食育をしてあげたいです」

 この場面を紹介した「スッキリ」では「太りやすい体質じゃないでしょ」(加藤浩次)「スリムなのに、ねぇ」(山里亮太)といった声が出て、ぽっちゃりキャラの水卜麻美アナは唖然としたように目を丸くしていたものだ。

 とはいえ、この気持ち、わかるという人もいるのではないか。浜辺も「じつは大食い」で「小さいクジラがお腹にいるみたい」などと言われるらしい。今の彼女がどんな体型を理想にしているのかはわからないが、少なくとも、食生活ひいては体型をもっと上手くコントロールしたいと考えていることは想像できる。「女優は人生をかけるに値する職業」とまで言い切る19歳にとって、それは一生続く死活問題であり「太りにくい体質」は過去に戻ってでも手に入れたいものなのだ。

 とまあ、スレンダー芸能人たちにも悩みはある。また、細すぎることでとやかく言われることに共感できる一般人だって一定数はいるはずで、まして、自分の食生活や体型を上手くコントロールしたいという願望は万人共通のものだろう。

 芸能界は必ずしも、世間と隔絶した別世界ではない。そこでは世の女性と同じ悩みを抱える人たちが、葛藤しながら生きているのである。

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『痩せ姫 生きづらさの果てに』
エフ=宝泉薫  (著)

 

女性が「細さ」にこだわる本当の理由とは?

人類の進化のスピードより、ずっと速く進んでしまう時代に命がけで追いすがる「未来のイヴ」たちの記憶
————中野信子(脳科学者・医学博士)推薦

瘦せることがすべて、そんな生き方もあっていい。居場所なき少数派のためのサンクチュアリがここにある。
健康至上主義的現代の奇書にして、食と性が大混乱をきたした新たな時代のバイブル。

摂食障害。この病気はときに「緩慢なる自殺」だともいわれます。それはたしかに、ひとつの傾向を言い当てているでしょう。食事を制限したり、排出したりして、どんどん瘦せていく、あるいは、瘦せすぎで居続けようとする場合はもとより、たとえ瘦せていなくても、嘔吐や下剤への依存がひどい場合などは、自ら死に近づこうとしているように見えてもおかしくはありません。しかし、こんな見方もできます。

瘦せ姫は「死なない」ために、病んでいるのではないかと。今すぐにでも死んでしまいたいほど、つらい状況のなかで、なんとか生き延びるために「瘦せること」を選んでいる、というところもあると思うのです。
(「まえがき」より)

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宝泉 薫

ほうせん かおる

1964年生まれ。主にテレビ・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版する。2016年には『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)が話題に。近刊に『あのアイドルがなぜヌードに』(文春ムック)『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、最新刊に『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)がある。ツイッターは、@fuji507で更新中。 


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瘦せ姫 生きづらさの果てに
  • エフ=宝泉薫
  • 2016.09.10